またもや番外編 東京です。
昨年の12月に銀座にオープンした『勝本』の3号店。
その名も『中華そば 銀座 八五』
テレビ番組でその存在を知り、とても気になっていたお店です。
というのもそのコンセプトが大胆。
「たれ不使用」
ラーメンのスープは様々な素材からとった出汁に、塩、醤油や味噌などで作られた「たれ」を合わせて作られるものですが、こちらで提供されるラーメンはその「たれ」が使われていない。
したがってこちらのお店で提供されるラーメンは、素材からとった出汁のみで作られたスープで構成されているようです。
それが果たしてどんなものなのか。
百聞は一見にしかずではありませんが、やはり食べてみないことにはわからないので開店まえの『中華そば 銀座 八五』にスタンバイ。
30分前で10人ほど並び。
残念ながら1ターン目、不可確定。
しかし開店直前にはゆうに30人を超える列となっていたので、むしろ2ターン目で食べれるのがありがたいくらい。
店内に。
ラーメン店とは思えない落ち着いた造りの店内。
席はカウンターのみ6席。
そしてメニューは基本一品、『中華そば』のみ。
価格は850円。店名の八五をかけているのでしょうか。
ちなみにこの八五の由来は、八を富士山に見立て、その五号目という意味だとか。
まだまだ美味しくなるというコンセプトですかね。
『味玉中華そば』
凛とした美しいたたずまい。
琥珀色に澄んだスープに綺麗にたたまれた麺。
その上には九条ネギ、メンマ、チャーシュー、煮卵。
食べる前から美味しさ感じます。
まずはスープ。
じんわりと身体に染みていく素材の旨みに思わずため息がもれます。
出汁だけでここまで旨いとは。
タレ不使用とは言えスープにはきちんと塩味が付いています。
それはダシを取るための素材に生ハムがあり、その塩分が染みだしたもののようです。
出汁の旨みが上品なだけに、この程度の塩味でも十分に美味い。
むしろタレはいらないのではないでしょうか。
それぐらいこの時点で完成されていると思います。
麺は浅草開化楼の中細ストレート麺。
しなやかでつるりとした麺肌。
程よい食感。
スープとの相性もよくというか、スープから半歩ほど引いたところでスープの旨みをしっかりとエスコート。
麺とともに感じるスープの旨みもまた格別。
豚バラ肉を素材としたチャーシューも申し分のない美味さ。
あえて胡椒はチャーシューの上。
とろけるように柔らかく、赤身と脂身の旨みが織り成す繊細な肉の旨み。胡椒は肉を味わうためのアクセント。
主張しつつもスープの旨みを邪魔することない調和のとれた逸品。
メンマも歯切れよく、食感良く旨し。
またこの九条ネギの食感がクセになりますね。
全てにおいて完璧。
心揺さぶられる一杯。
ご馳走様です。