『醤油蕎麦』|神保町 黒須

番外編東京、神田神保町。
訪れたお店は『神保町 黒須』東京メトロ神保町駅から徒歩5分、ビル街の裏通りにある隠れ家的な立地。
集英社のビルの横を進むと小さなラーメン丼を模した看板を発見。到着すると流石に並びあり、10名程。

休憩タイムで戻れるか微妙ですがとりあえず列に加わります。

メニューは基本『醤油蕎麦』、『煮干蕎麦』、『塩蕎麦』の3種類。
あとはトッピングに応じて名前が変わります。

今回は『醤油蕎麦』780円と『肉飯』150円をオーダー。

店内はこじんまりとカウンターのみ。
スペースを活かし切った面白い作り。
その空間に香る煮干が食欲を掻き立てます。
今回は煮干を選びませんでしたが、次回は試してみたくなるほどよい香りです。

『醤油蕎麦』

切り立った丼ぶりの中には鶏油が煌めく濃い色のスープ。
具材は大ぶりのチャーシュー、メンマ、青葱。

まずはスープからいただいてみます。

「キリッ」と醤油の味わいが立っています。
この味わいを際立たせているのが鶏の旨味。
あえて鶏の旨味に広がりをもたせず一点にまとめることで、醤油の魅力を真下から下支えしてるように感じられます。

麺はストレート細麺。

プツプツと歯切れの良い食感が特徴的。
全粒粉を配合した麺は風味も良く、スープの旨味をしっかりと持ち上げてくれますね。
また青葱と合わせることで、食感と風味に変化が生まれるのも悪くない組合せ。

大ぶりのチャーシューは厚みはないが噛むほどにその旨味が溢れてくるベーコンのような仕上がり。

メンマは穂先メンマ。
こちらもしなやかな歯ごたえで美味い。

麺量は少なめなのであっさりと完食。
あえてスープの旨味を活かしきる麺量に調整されているように感じます。ラーメンを美味しく食べてもらうためには重要なポイントですね。
なので大盛はなく、物足りない方は『替玉』も100円で用意されていました。

ラーメンのタイプにもよりますが安易な大盛無料や大盛の設定はラーメンの美味しさを半減させてしまう功罪もあるとつくづく思います。
麺が密集しスープの絡みが悪くなるうえ、麺量が増えることでスープ自体の美味しさも著しく落ちていたり、普通盛の時ほど美味しく感じられない時が多々あります。
初来店時に大盛にしてしまい、そのラーメンの本当の美味しさを感じられず、再来店につながらこともあるのではないでしょうか。
でも無料や大盛50円とか言われるとわかっていてもついつい頼んでしまうココロの弱さ。
負けてしまうのであえてその設定がない方が有難い。
繊細な一杯ほどそういう配慮が必要かと。
そういう意味では『替玉』もありですが、初めに食べたラーメンそのものの美味しさを越えれるわけはなく、むしろその印象を薄めてしまう弊害も感じられます。
ただそれもお客さんそれぞれ求めているモノが違うので一概には言えないのが難しいところ。

だからというわけではありませんが、今回は『替玉』は頼まず
『肉飯』

薄くスライスされたチャーシューがご飯を覆い隠すように盛りつけられています。
こちらも150円と格安にもかかわらずズッシリと肉の旨味を堪能できます。
途中からはスープを加えていただきました。

この辺りでは1番の人気店ということも頷ける緻密に素材の旨味を際立たせた一杯でした。
外に出ると14時をまわっているにも関わらず列は20人を超える長さに。
ご馳走様でした。